現在米国も日本も決算発表シーズンということで
四半期決算の確認方法などをチェックしていこうと思います。
この記事で、米国株の決算のポイントや主に短期中期での取引での考え方を確認しましょう。
今回参考にするのはこちらの書籍
楽天ブックスより引用
「Market Hack流 世界一わかりやすい 米国式投資の技法」
著者は広瀬隆雄さん、じっちゃまの名前でTwitterのフォロワーは現在約30万人
1988年から米国の投資銀行で勤務されてきました。
現在はご自身でライブ配信をされたり、証券会社主催のセミナーや記事執筆などをされたりされています。
2013年出版の本ですが、考え方としてずっと通用することが書かれていますのでここでご紹介していきます。
まず始めにMarket Hack流の10ヶ条が示されています
①営業キャッシュフローの良い会社を買え
②保有銘柄の四半期決算のチェックを怠るな
③業績・株価の動きが激しい銘柄と、おとなしい銘柄をうまく使い分けろ
④分散投資を心がけろ
⑤投資スタイルをきちんと使い分けろ
⑥長期投資と短期投資のルールを守れ
⑦マクロ経済がわかれば、投資家としての洗練度が格段に上がる
⑧市場のセンチメントを軽視する奴は儲けの効率が悪い
⑨安全の糊代をもて
⑩謙虚であれ(投資の勉強に終わりはない)
この中で大事と思うポイント、大前提の①②を抜粋します。
営業キャッシュフローの良い会社を買え
これは今までお伝えしてきた記事でも何度も言ってきてますね。
結局儲かって、現金が残せる会社かどうかということです。
本書では、営業キャッシュフロー(本業で得られるキャッシュ)を重視する理由として、
一番ごまかしにくいからと述べています。
受注して入金待ちでも売上にできますが、現金は本当に売れないと増えないからごまかしにくいという理屈です。架空の請求書などはずっとごまかしきれないですからね。
それでは具体的に事例を使って確認していきましょう。
米国株を確認するときは、英語版のYahoo!ファイナンスを使います。
https://finance.yahoo.com/
そして検索欄にティッカーシンボルを入力します。
日本株では銘柄ごとに4桁の数字(証券コード)がありますが、米国株ではアルファベットでコードが決められています。
今回はGoogleのティッカーシンボル「GOOG」を入力します。
Yahoo!financeより引用
続いてキャッシュフローを確認します。
黄色マーカー部分をチェックすれば出てきます。
マーカーは営業キャッシュフローの推移を表しています。
ものすごい伸びですね。
Yahoo!financeより引用
投資先の条件として、営業キャッシュフローが毎年伸びている企業が望ましいとされています。
GOOGは申し分なさそうです。
そして、営業キャッシュフローマージンが15~35%ある会社を狙えとも述べられています。
このポイントは売上高に対して営業キャッシュフローが何パーセントあるかということです。
営業キャッシュフローは分かったので次に売上高をチェックしていきます。
Yahoo!financeより引用
Total Revenueというのが売上高です。
では2021年12月の売上257,637,000、営業キャッシュフロー91,652,000が分かりました。
ここから、営業キャッシュフロー(91,652,000)を売上(257,637,000)でわり算します。
結果、0.355、つまり35.5%になることが分かります。
ちなみに本書では平均的な米国株は11.9%前後と書かれており、日本株の平均はどうなのか考えただけでも恐ろしいです。
ひとまずGoogleは素晴らしいということですね。
ここでは15~35%と書かれていますが、35%を超えていても問題ありません。
それは超絶儲かっているという認識で大丈夫です。
ここで個人的見解ですが、ネット企業は営業キャッシュフローマージンが高くなりがちです。
しかし、ネット企業の問題は参入障壁を作る難易度が高いというところかと思います。
Googleに関してはその点問題ありませんが、一般的には参入しやすい領域です。
前回紹介していたフルヤ金属のような例では多少営業キャッシュフローマージンが低くても、独自の技術や生産設備、仕入れルートなどで他社を寄せ付けない仕組みを持っているので継続的に利益を積み重ねることができます。
実際にフルヤ金属は棚卸資産の大幅増で営業キャッシュフローはマイナスになっています。
確実な投資をしたいのであれば、営業キャッシュフローがプラスになってからでも良いとも言えるでしょう。
ここまでキャッシュフローの話をしてきましたが、まずは投資先を選ぶ前提としてキャッシュリッチな企業から選びましょうということです。
長期投資が大事とはいうものの、ずっとお金を生み出すような企業を長期で保有することが前提です。
何の見込みのない株を抱き続けるのは「アホールド」というみたいですよ(笑)
保有銘柄の四半期決算のチェックを怠るな
日米すべての上場企業は四半期に一度決算発表を行います。
米国株の大部分は1~3月を第1四半期としています。
カレンダーと会計年度が一致していることが多いですね。
一方日本は3月決算、4~7月を第1四半期とする企業が多いです。
投資家は、四半期ごとに企業の決算くらいは確認しましょうということを本書では述べています。
人間でいう健康診断のようなものです。
まずは決算発表日がいつなのか確認します。
本ではYahoo!financeを使って説明されていますが、
現在では各証券会社が決算発表日をまとめてくれています。
一例でマネックス証券をご紹介します。
マネックス証券HPより
決算発表日が分かったら、その中身を確認します。
「よい決算」かどうか判断する基準が紹介されています。
良い決算とは
売上高がコンセンサスを上回る
ガイダンスがコンセンサスを上回る
ちなみにガイダンスは企業の財務部長が示す来期の予想値みたいなもの。
コンセンサスは証券アナリスト等が予想する数値。
要するに利益や売上が投資家たちの予想を上回っているかを確認するということ。
「ガイダンスがコンセンサスを上回る」というのが初見では分かりにくいので言い換えると、
「企業側が予想する来期の業績」>「投資家側が予想する来期の業績」
となっているかどうかということです。
この予想に基づいて今の株価が形成されているのなら、予想より上なら株価も上、
下なら株価も下にいくという考えです。
ではコンセンサスの確認の方法です。
こちらはYahoo!financeが分かりやすいので確認していきます。
Yahoo!financeより引用
②売上高 次の四半期(6月末決算)のガイダンス
③今期通年でのガイダンス
④来期通年でのガイダンス
この数字と比べて実績が良いかどうかを判断すればよいというわけです。
今回は前回コンセンサスも表示されているinvesting.comというサイトをしようしたいと思います。
スマホアプリもあるのでぜひダウンロードしてみてください。
investing.comより引用
売上高予想68.08Bに対して68.01B
予想を下回っています。
Googleほどの企業であれば投資家の期待に何度も応え続けているので多少は許されますが、
上場したての企業がいきなりコンセンサスを下回ると、ボッコボコにされます(笑)
ちなみに最近はネットフリックスが2回連続で決算をミスして22年1月の決算発表前の約500$から
4月の決算発表後には約200$になっています。
ミスの仕方も良くなかったですが、本当に容赦ありません…
広瀬さんはこのことをよく人間関係に例えてお話されます。
結婚して何十年という夫婦であれば、多少のミスは許されます!?が、
まだ付き合いたてのカップルが、いきなりデートに遅刻、
まして2回連続で遅刻しようものなら大惨事です。
今回のネットフリックスさんは浮気の疑い浮上!?レベルですかね…
恋愛ではそうなると世の中にいい人はたくさんいるから切り替えよう!と言うように、上場企業もたくさんあるのです。
毎回予想を上回るサプライズをしてくれる彼とお付き合いしたいのですが、
毎回のように決算をクリアするのは至難の業なのです。
それをクリアしてきたのが今のGoogleやアップルなどの超ハイスペックスマートイケメンたち。
これでもか!これでもか!と毎回投資家たちを喜ばせ、
気付いた時には2倍、10倍銘柄になっていった経緯があるわけです。
買った株のフォローが実はかなり大事ということになってくるわけですね。
これは個別株投資に限らずインデックス投資でも、
組み入れ上位の銘柄の決算概要だけでも分かっておくことで
今後の先行きをイメージしやすくなります。
個人的に保有している銘柄の決算チェックもしていきます。
それでは
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